【ドイツのイースター】定番の過ごし方は?復活祭に食べるもの、イベントや風物詩など在住者が紹介!

【ドイツのイースター】定番の過ごし方は?復活祭に食べるもの、イベントや風物詩など在住者が紹介!

Hallo! ドイツ在住ブロガーのユウコフランクフルト(@yukofrankfurt)です。

春の時期にあるイースター・復活祭はイエス・キリストが死を乗り越えて復活したことを祝う最大の祝祭日。

今回はドイツ人はイースターには何をする?イースターならではのアクティビティはある?イースターには何を食べる?などなどについて紹介していきます。

日本に住んでいてもできる事はあるので、ドイツにいなくてもイースターを感じたい!という方はぜひ参考にしてみてください。

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ドイツではイースターをどう過ごす?復活祭に食べるもの、イベントや風物詩など在住者が徹底紹介!

キリスト教最大の祝日といえばクリスマスのイメージが強いかと思いますが、実は春に祝われるイースターも非常に重要な祝日

人によってはクリスマスより大切、という認識があるほどです。

そんな大事な祝祭日であるイースター。ドイツでは何をするのか?

前回はドイツでのイースターについて日程や由来、うさぎや卵などイースターおなじみのシンボルについて書きましたが、今回の記事では

・イースター、ドイツ人は何して過ごす?

・イースターにするアクティビティ

・イースターに食べるもの

・イースターの時期にドイツに来たら見るべきイベント

などについて、詳しく書いていこうと思います。

2023年のイースターはどんなスケジュールか知りたい方は別の記事から詳しい日程を見ることができますので合わせてぜひ。イースターのシンボル、うさぎや羊が使われるのはなぜか?についても触れています。

ドイツのイースター、何をする?定番の楽しみ方やアクティビティ

クリスマス並みにイースターが大事という事は、イースターの時期に合わせて色々することがあるのでは?と思った人もいるのではないでしょうか。

ドイツでは連休になるのですが、私もドイツに来た当初は「イースター、何をするの?うさぎのお菓子を食べる?」と何をどうするのかよく分かっていませんでした笑

春の一大イベント・イースターを迎えるにあたってもちろん色々なアクティビティやできる事があります◎

ということで具体的にどんな事をするのか思いつくままに紹介しようと思います。

日本でもできる内容だと思うので、ドイツ在住者の方に限らず興味があればぜひチャレンジしてみてください!

部屋を飾りつける

クリスマス同様、イースター前の時期に店に行くと色々なイースターグッズが売られています。

チョコレートなどのお菓子の他に目につくものといえばイースターのシンボルであるうさぎモチーフのインテリアグッズ。

クリスマスの前、特にアドベントと言われる時期にも部屋をクリスマスに向けて飾る習慣がありますが、イースターの1ヶ月前頃から部屋のインテリアをイースター関連のデコレーションなどで飾る家庭も多いです。

インテリアグッズの他にはイースター当日には花を飾ったり、イースターの食事に使うとかわいい食器などを揃えたりも。

家族や友人にプレゼントや絵葉書を送る

クリスマスシーズンにクリスマスカードやプレゼントを送るのが定番、というのを知っている方も多いかと思いますが、イースターの時期に家族や友達に挨拶のカードやギフトを送る事も昔ながらの習慣です。

昨今のデジタル化によって紙のカードを送ることは前よりは減ったかもしれませんが、イースターシーズンにはグリーティングカードが売られているので手紙が好きな方はうさぎやひよこ、卵、花などのモチーフがついたかわいい絵葉書で挨拶はいかが。

パステルカラーのかわいいものからキリストの復活した様子や最後の晩餐のような宗教画モチーフのものまで色々なカードが見つかります。

手紙といえば、なんとドイツではイースターバニーに手紙を書くことができます!しかも期日までに届いた手紙には返事が来ます◎

クリスマスにサンタに書く手紙のように、イースターにはうさぎに手紙を書くことができるのは面白いですよね。

子供のいる方はドイツのイースターバニーに手紙を書いてみてはいかがでしょうか。

イースターに渡す定番のプレゼントといえば、やっぱりみんな大好きなチョコレートなどの甘いお菓子。

2018年の調査によれば、回答したドイツ人のうち70%の人がイースターにチョコなどのお菓子をプレゼントし、37%が卵(色やデコレーションしたゆで卵)を渡すそう。

花も人気で、22%ほどの人がギフトで送ると回答。

他には本やぬいぐるみ、おもちゃやちょっとした小物など、特に子供に渡す事が多いとのこと。

教会へ行く

世界中で祝われるイエス・キリストの復活祭。

この日、教会ではキリストの復活を祝福する喜びの礼拝を行います。

教会で1番盛大に祝う日はイースターの日曜日(毎年春分の日の次に来る満月直後の日曜日・3月下旬~4月中旬の間の変動祝日)。

信仰深くなく、普段は教会に毎週行かないというドイツ人もイースターの礼拝には朝早く起きて行くという人も。

イースターマーケットへ行く

XocolatlCC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons

イースターの約1か月前〜数週間前頃から、ドイツのあちこちで開かれるイースターマーケット(Ostermarket)

クリスマス前のクリスマスマーケットは定番ですが、イースターマーケットもあるんです!

1、2日程度のものから2週間ほど開催する大規模なものまで様々。

イースターのシンボルである卵やうさぎグッズなどイースターらしい商品が手に入ります。

イースターエッグを作る

カーニバル、バレンタインが終わったあたりからスーパーにはたくさんの卵が陳列し、卵に色つけできるペイントなどが売られるようになります。

卵に色や模様をつけてイースターエッグを作るのはとってもポピュラーなアクティビティです。

色付けした卵はイースターバスケットに入れたり、部屋のインテリアとしてイースターの日曜日が来るまで飾ったり、イースターに欠かせないシンボル、卵。

イースターエッグの作り方は色々ですが、

・ゆで卵にして色をつける

・卵に穴を開けて中身を出して中を空洞にして色をつける

という2通りがあるようです。

どちらの方法でも、中身は無駄にせずちゃんと食べるのがベスト。

イースターエッグの色ですが、基本的には自由。

明るいパステルカラーからメタリックな質感にしたりと色々。

ドイツのAmazonで「Eierfarben」と検索すると、たくさんの絵付けグッズが見つかります。

最近では日本でもイースターエッグの絵付けグッズが出てきているようです。»参考

キリスト教的には色で言うと以下のような意味があるそうなので参考まで。

・ピンク:愛や喜び。イースターではパステルカラーが人気で、ピンク色のグッズも多いです

・赤:キリストの血。東方教会のイースターでは定番の色

・紫:謙虚さ、高貴さ、哀愁。紫はキャンドルの色でもよく使われます。

・緑:キリストの復活、永遠の命。イースター後に僧侶たちが着る服も緑だそう。

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エッグ・ハント(卵探し)

イースターについて詳しくない人にとっても、イースターといえば卵・イースターエッグをイメージする人は多いかと思います。

カラフルな卵を探すイベントがあるというのも知っているのではないでしょうか。

イースターの日曜日、家族が楽しむイベントといえば家の中や庭などに隠された卵を探すエッグ・ハント (Otereiersuche)

エッグハントはヨーロッパやアメリカなど色々な地域で定番のアクティビティになりつつありますが、なんとこのエッグ・ハントの起源はドイツだそう。

イースターエッグハントを初めて行ったのは、ドイツでプロテスタントを広めたあのマルティン・ルターと言われています。

卵はキリストの墓を表し、卵を割る行為はキリストを墓から解放し、天へ昇ることへの象徴と捉えていたそう。

キリストが復活したイースターに合わせてたくさんの卵を隠し、積極的にエッグハントを楽しんでいたと言われています。

もともとは男性が卵を隠し、女性や子供がその卵を探すというスタイルだったそうですが、17世紀頃から卵を隠したのはうさぎ(イースターバニー)と言われるようになったそう。

今では世界で定番になったイースターの卵探し。

家庭で楽しむようなものから企業が企画する一大イベントのようなものまで、様々な形でエッグハントが行われています。

イースターエッグを使ったその他の遊びも

イースターエッグといえば卵探しが一番有名かつ定番ですが、ドイツでは他にもいくつかイースターエッグを使ったゲームのようなものがあり、特に子供たちに人気。

たくさんある卵ゲームのうち、例えば以下のようなものがあります。

Osterei Schieben(卵転がし):固ゆでした卵を草が生い茂った坂の上から転がすゲーム。枝などを使って卵が早く転がるようにしてもOK。1番先に下まで到着した卵の持ち主が勝ち。

Eierklopfen(卵たたき):Ostereiertitschenとも呼ばれる遊びで、2人で競うゲーム。それぞれ卵を1つ手に持って互いの卵にぶつけ合い、自分の卵をできるだけ傷つけないようにしながらいかに相手の卵にひびを入れ合い、ひびが少ない方が勝ち。

・Eierlauf(卵リレー):運動会のリレーでバトンを渡す代わりに生卵が載ったスプーンを渡して競争するリレー。スプーンにのせた卵を落とさないように早くゴールできたチームが勝ち。

イースター休暇を利用して旅行

今回の記事ではイースターならではの内容をお届けしたいのですが、現実を言えばドイツ人皆がイースターに向けて盛大に祝うわけではなく、「イースターらしい何か」をしない人も実は多いです(笑)

イースターは金曜と月曜が必ず休みになるので週末を合わせれば4連休が確実。

というわけで、イースター休暇に合わせて有給を使って長いバケーションを楽しむという人もいます。

ただしヨーロッパの他の地域でも、イースターを祝う習慣がある地域の場合はイースターの時期は店が休みに入ったりイースターにちなんだ行事などがあるはずなので、旅行先でひと味ちがったイースターを楽しむという場合もあるかと思います。

ドイツはいつ祝日があるのか気になる方はこちらも合わせてチェックしてみてください。

ドイツのイースターでは何を食べる?

イースターの食事

イースターはクリスマスと同じく、家族で過ごす祝日。そして、集まった家族でごちそうを食べるのが定番。

ただし、イースターサンデーの日曜までは以下のような食事がよく食べられています。

もちろん各家庭によって様々かと思いますが、参考まで。

聖木曜日(Gründonnerstag)

イースター直前の木曜はドイツでは公的な祝日ではありませんが、西方教会ではイースターサンデーまでの3日間を「聖なる3日間」と呼んでいて、そのスタートが聖木曜日(Gründonnerstag)。

緑の木曜日という意味のGründonnerstagに食べられるのもまさに緑色のものが多く、フランクフルト発の名物グリューネ・ゾーセ(緑のソース)やほうれん草の料理などがポピュラー。

ズッキーニやケール(Grünkohl)、Bärlauchと呼ばれる行者にんにくなども定番で、野菜たっぷりの料理を食べるイメージです。

聖金曜日 (Karfreitag)

キリストが十字架にかけられた聖金曜日(Karfreitag)。

ドイツでは公的な祝日扱いなので、店や企業などは閉まっています。

この日も肉は食べず、伝統的に魚料理を食べることが多いそう。

イースターに限らず、金曜日は魚を食べるというドイツ人も結構います(特にご年配)

聖土曜日(Karsamstag)

イースター前日の聖土曜日(Karsamstag)。

この日、ドイツでは公的な祝日扱いではないのでスーパーなど店が開いています。

土曜日は翌日の盛大なお祝いに向けて準備する日で、特にベーキングに精を出す人が多いそう。

例えばイースターのシンボル、子羊(Osterlamm)の形をしたケーキや、Osterzopfと呼ばれる編み込みのような形をしたパンなど。

イースター当日の朝食などで食べたりするようです。

イースター・復活祭 (Ostersonntag)

イースター当日は、ちょうどこれまでの長い禁欲期間が終わるタイミング

そのため、イースターの食事メニューは肉、そしてイースターのシンボルでもある卵が出てくることが一般的です。

各家庭によりますが、イースターのシンボルである羊・ラム肉やうさぎの肉のローストやハム(Osterschinken)などが人気。

カトリックや一部のプロテスタントなどの西方教会では、灰の水曜日(Aschermittwoch)という日が典礼暦年にあります。

灰の水曜日から復活祭前日の土曜までの期間は四旬節と呼ばれ、神への祈り・自分に対する節制・他人への慈善の3つが四旬節の精神と考えられています。

そのため今でもこの期間にアルコールや菓子類、肉・卵・乳製品などの動物性食品などを控える「断食」をする人がいます。

約40日間の断食期間が始まる前に好きなものを思い切り食べ、お酒をたっぷり飲んで楽しもう!という理由から、あの有名なカーニバルというイベントがあります。

イースターのお菓子

リンツのイースターバニーのチョコレートが並ぶドイツのスーパーマーケット

バレンタインデーが終わったぐらいから、ドイツのスーパーには色とりどりのイースターのお菓子が並び始めます。

中でもやっぱり定番なのはイースターバニーの形をしたチョコレート。

一番有名な者といえば、スイスのリンツが作る金色のイースターバニーですね。

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うさぎモチーフのチョコレート以外にも、卵型のチョコレートもあります。

他にはイースターモチーフのクッキーやイースターバージョンのハリボーなども。

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伝統的にいくなら、これらのお菓子を解禁するのもイースターサンデー。

イースターの伝統にそってお菓子を自粛していたという人はイースター当日食べ過ぎないよう注意!笑

ドイツならでは!?ドイツ各地で見るイースターの風物詩

クリスマスと並んで大きなお祝いであるイースター。

ドイツでこの時期だけに見られるイースターならではの風物詩があります。

その中でも有名なものやユニークなものをいくつか紹介します。機会があればぜひ見に行ってみてください◎

Osterbaum イースターツリー

クリスマスといえばクリスマスツリーですが、なんと!ドイツにはイースターでもツリーがあるのを知っていましたか?

ドイツ語でOsterbaum、まさにクリスマスツリーならぬイースターツリーという名前のツリーがあるのです。

木に飾りをつけるクリスマスツリーのイースターバージョンは飾りがカラフルな卵!

Andrew Poison via Wikimedia Commons

生命のシンボルである木と卵のコラボレーションは、ドイツの一部地域では昔から伝統だったそう。

数あるイースターツリーの中でも、有名なツリーといえばテューリンゲン州のザールフェルトにある1万個以上の卵が飾られたイースターツリー。

ザールフェルト住む一般家庭のクラフト家が1965年から自宅にあったりんごの木をイースターツリーとして飾り始め、2015年まで見事なイースターツリーを見せてくれていました。

引退後もザールフェルト市はクラフト家の伝統を受け継いで別の場所でツリーを披露しているそうです↓

ザールフェルト市のイースターツリーby AndrewPoisonCC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons

アイデア次第で可愛くなるので、日本でもイースターツリーを試してみてはいかが。

庭に木がある人はダイナミックに外の木に飾り付けても良いし、お部屋のインテリア的にほどよいサイズのイースターツリーを作るも良し!

ちなみにイースターツリーに似た、花瓶に木の枝や花をさしてイースターエッグを飾ったミニサイズの物は、ドイツ語でOsterstrauß(イースターの花束)と呼ばれています。

Osterbrunnen イースターの泉

ドイツ中南部〜南ドイツ北部あたりに広がるバイエルン州のフランケン地方、中でもフレンキシェ・シュヴァイツ(Fränkische Schweiz)と呼ばれる地方で有名なのがOsterbrunnen(オースターブルンネン)、「イースターの泉」。

1909年にアウフゼス (Aufseß)という町で始まったと言われています。

Brunnen(井戸、泉、噴水)という名前の通り、町の噴水や井戸、水路など水がある場所にイースターエッグでデコレーションしたもの。

由来としては色々な説があるようですが、乾燥しがちだったフランケン地方において水の大切さに感謝する意味という説があります。

植物の緑でかたどったラインに合わせてカラフルなイースターエッグがぎっしり並ぶイースターの泉は、言うならば「イースターシーズン限定アートプロジェクト」で、見応え満点。

時が経つにつれてフレンキシェ・シュヴァイツ以外の地域にも人気が広がり、それに合わせて色々なイースターの噴水が作られるようになってきて、地域によってはかなり力を入れた作品が出てきています。

中でも有名なのは「世界最大のイースターの噴水」としてギネスブックに登録されているビーバーバッハ(Bieberbach)や、王冠のようなユニークな形の噴水があるハイリゲンシュタット(Heiligenstadt)など。

この時期はイースターの泉目当ての旅行者がドイツ各地から訪れます。

イースターの泉はだいたい聖金曜日〜イースター後2週間程度ぐらいの期間に飾られています。

Osternfeuer イースターファイヤー

イースターファイヤー(Osternfeuer)は古代エジプト人が春を呼ぶ儀式として行っていたそうで、その風習がキリスト教徒に伝わったと言われています。

かがり火を起こすことによって冬を追い払い、太陽を呼び春を迎えると考えられていました。

燃え上がる火は太陽を象徴し、豊作を願うこととも関連しているそう。

かがり火からキャンドルへ火を移し、そのまま教会へ持ち込み火を灯すという事もされていました。

キャンドルの火はキリストそのものを表し、世界に光と希望を与えると考えられてきました。

今でもドイツや北欧などヨーロッパの一部地域で、イースターの時期に合わせてイースターファイヤー(Osternfeuer)を行う伝統が残っています。

ドイツの場合は特に北ドイツの農村部などでよく行われてきたそうで、個人宅で行われるようなものから宗教的な意味はそれほど持たず「イースターの時期に開催するイベント」扱いになるようなものまでさまざま。

イースターの前日である聖土曜日に高く積み上げられた薪に火が灯され、燃やされ続けます。

イベント的なイースターファイヤーといえば、ハンブルクのAltersdorf marketで行われるものが有名

ライブコンサートやバーベキューなども楽しめる一大イベントで、ドイツ人旅行者にも人気です。(2021年は新型コロナの影響で中止)

Osterräderlauf イースターの火車

イースターファイヤーと同じく火を使う行事で「Osterräderlauf」というものもあります。

こちらはなんと巨大な車輪に藁をたくさん詰め込んで火をつけ、火車にして丘に転がすというもの(!)。

NRW州の町、Lügdeのものが特に有名。

火車が止まる事なく丘を一気に転がり落ちるとその年は作物に恵まれるのだとか。

イースターの火車の様子はYouTubeなどで見れますが、かなりの迫力なのが想像できます。

Sorbische Ostereier ソルブのイースターエッグ

イースターといえば、イースターエッグ。

別の記事でドイツのイースターエッグに関して紹介しましたが、ドイツで最も美しいイースターエッグといえばソルブ人という少数民族が手がけるイースターエッグ (Sorbische Ostereier) ではないでしょうか。

ソルブ人とは?

ソルブ人(独:Sorben)は、6〜7世紀頃に現在のドイツのザクセン州、ブランデンブルグ州、そして隣国ポーランドにまたがるラウジッツ(ルサティア)と呼ばれていた地域に定住していたスラブ系の民族。

この地域はドイツとポーランドの境界に位置していたため、ソルブ人の土地は戦争によって分断・分解されてしまいます。第二次世界大戦後、ソルブ人たちは「ドイツ人」になることが決定され、ポーランドに残っていたソルブ人たちもドイツへ追い出されたそう。

その後東ドイツの共産主義時代の影響によってソルブ語を話す人がぐっと減ってしまい、今ではソルブ人の血を引く人々の多くがソルブの文化を保ちつつもほとんどドイツ人のように生活しています。

現在たった6万人程度が存在すると言われているソルブ人ですが、彼らの手がけるイースターエッグの伝統などソルブの文化を保護・伝承する場があり、今も一部の人々によってソルブの伝統が大事に守られています。

色とりどりの卵に彼ら独自の手法で細かい模様が綺麗に描かれたソルブ人のイースターエッグは、一目見たら忘れられないはず。

ソルブ人による美しいイースターエッグは17世紀頃から製作されていて、何世紀にもわたり代々受け継いできた技法で全て手作業で作られています。

イースターエッグの絵付けは聖金曜日に行われる事が多いそう。この日は労働をしない祝日ですが、ソルブ人たちにとっては卵の絵付け作業は仕事扱いではないのでこの日にゆっくり装飾作業を行うのだとか。

ソルブのイースターエッグは、だいたい次のような技法で作られています。

【ろうけつ染め】熱した蝋で卵に模様を描き、染料に卵を浸して染め上げ、その後蝋を取り除いて模様を作り出す技法。

【エッチング】卵を染めた後、薄めた酸性の液で模様を描き、酸で色落ちした部分を拭き取る技法。

【スクラッチ法】染め上げた卵を先の鋭い道具でこすりながら模様を刻む技法。卵が割れないよう高い技術力が必要。

【エンボス】あらかじめ色をつけた蝋で卵に直接模様を立体的に描く技法。

卵の絵付けに使う道具は、ガチョウやあひるなどの鳥の羽を筆のように加工して使うのが定番。

卵を見てみると気づくかと思いますが、ソルブ人の描く模様や色にはそれぞれ意味が込められています。

・円:太陽や太陽の光。幸福感のシンボル。

・三角形:狼の歯。邪悪なものを追い払う。

・赤:キリストの死

・白:純潔

・黄色:知恵

・オレンジ:力強さ

・緑:若さ

精巧なデザインのイースターエッグを作り出す慣習は、ドイツに住むソルブ人の他にもスラブ系の国ポーランドやウクライナなどの東欧でも見られ、ピサンキやプィーサンカなどと呼ばれています。

ソルブ人のイースターエッグと技法がよく似ていますが、模様のスタイルや絵付け道具が異なります。

Dr. Bernd Gross via Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0

さて、ソルブ人の作るイースターエッグにお目にかかれる最大のチャンスがイースター前に開かれるSorbischer Ostereiermarkt(ソルブのイースターエッグマーケット)

ソルブ民族が今でも多く住んでいるバウツェン(Bautzen)シュライフェ(Schleife)などで開催されています。

丁寧に作られたイースターエッグはとっておきのお土産やギフトにぴったり。

場所柄遠いイメージがありますが、車を使う場合はドレスデンから1時間もかからない所にあります。

少し行きにくいエリアにありますが、機会があればぜひバウツェンなどへ足を運んでみてはいかがでしょう。

バウツェンに行く事があれば、ソルブ博物館 (Sorbisches Museum)も合わせてぜひ。

Ostermarkt イースターマーケット

上でも書きましたが、イースターの約数週間ほど前からドイツ各地でイースターマーケットが開催されます。

ドイツのクリスマスマーケットは世界一有名と言って良いほど知名度がありますが、イースター前にもクリスマスマーケットのようにイースターマーケットが開催されているんです。

イースターマーケットはほぼ全てのドイツの主要都市で「Ostermarkt」や「Frühlingsmarkt(春のマーケット)」といった名前で開催されています。

中でもニュルンベルクのイースターマーケットは以上の店舗が並び、2週間以上開催され他に比べると規模が大きいです。

フランクフルト近郊のヴィースバーデンのイースターマーケットも可愛らしくておすすめ。

中世がテーマのイベントを開催することで知られているロンネブルク城(Ronneburg)では、中世の雰囲気の中でイースターマーケットが楽しめます。

クリスマスマーケットほどの規模ではないものの、イースターならではの商品が並んでいて楽しいイースターマーケット。

春の時期にドイツに来る人は要チェック!

イースターグッズはお土産にもおすすめ!

リンツのイースターバニーのチョコレートが並ぶドイツのスーパーマーケット

カーニバルシーズンが終わり、2月半ば〜後半に差し掛かるとスーパーやドラッグストアの一角がイースターコーナーに早変わり。

パステルカラーにイースターのシンボルであるウサギをモチーフにした色とりどりのお菓子やグッズが並びます。

うさぎやひよこなどのグッズが出回るので、動物グッズや可愛いお土産を探している人にもぴったり。

春にドイツに行く方はイースターコーナーを要チェック!

【セールを狙う】イースターグッズのお得な買い方

クリスマスグッズと同じく、イースター関連のグッズも季節ものなのでシーズンが過ぎるとセールで安くなります。

次回のイースター用に何か買っておきたい、イースターの時期関係なくイースターのグッズが可愛いからお土産にしたい、という方はイースターが終わったぐらいにお店をチェックしてみるのがおすすめ◎

インテリアに使えそうなグッズから、当ブログで紹介したうさぎのチョコレートなどイースター関連のお菓子類も大幅値下げになります。

【ドイツのイースター】定番の過ごし方は?イースターに食べるもの、イベント・風物詩など在住者が紹介!さいごに

いかがでしたでしょうか?

今回の記事ではドイツのイースターの過ごし方やイースターの時期に食べる食事やお菓子、ドイツ各地のイースターに関する風物詩やイベントなどを紹介しました。

日本ではイースターはクリスマスほど知られた祝日ではないですが、この記事でイースターについて知ってもらえたら嬉しいです。

イースターの日程や由来、うさぎや卵などのシンボルについてやイースターバニーへの手紙の書き方については別の記事で紹介しているので合わせてぜひ。

当ブログではドイツ在住者の視点から色々と記事を書いていますので、よかったら他の記事もチェックしてみてください!

 

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