ヨーロッパ発食品ロス解決アプリ【too good to go】使い方・実際に使った様子などを欧州在住者が徹底紹介!

ヨーロッパ発食品ロス解決アプリ【too good to go】使い方・実際に使った様子などを欧州在住者が徹底紹介!

Hallo! ドイツ在住ブロガー、ユウコフランクフルト(@yukofrankfurt)です。

近年、ドイツではもちろん、日本でも「エコロジー」「エシカル」「サステナブル(持続可能性)」「SDGs(Sustainable Development Goals・持続可能な開発目標)」といった言葉について見聞きするようになりました。

今回は、今筆者の住むドイツやヨーロッパの国々でも人気になっているフードロス問題を解決するアプリ、too good to go(トゥー・グッド・トゥー・ゴー)について紹介します。

日本でも最近フードロス問題について話題になることが増えてきたかと思いますが、海外での食品ロス解決への取り組みはどのようなもののなのか、気になる方はぜひ読んでみてください。

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ヨーロッパ各地で定着中!フードロス解決アプリ【too good to go】を欧州在住者が徹底紹介

too good to go アプリ

食品廃棄への取り組みはさまざまな形がありますが、近頃注目されているのは若手起業家によるテクノロジーを使ったSDGsへのアプローチ。

例えばイギリス発のフードシェア・アプリ「Olio」やスウェーデン発の「Karma」、フィンランドの「ResQ Club」なども無駄に廃棄される食品を減らそうというコンセプトの元にスタートしています。

食品廃棄対策がコンセプトのアプリは、日本でも「FOOD PASSPORT」(2020年にサービス終了)「Reduce Go」(2021年にサービス終了)「TABETE」などがあります。

今回の記事では、筆者の住む「エコ大国」ドイツでも知名度が急上昇中のアプリについて紹介したいと思います。

フードロスの現状と問題【環境にも悪影響】

「フードロス」「食品ロス」とは、本来まだ食べられる状態なのに捨てられてしまう食べ物の事を指します。

その数、およそ世界で生産されている食料品のうちの3分の1の量

日本では、まだ食べられるのに捨てられる食品廃棄物の量は2017年のデータでは612万トンと言われています。(参考:農林水産省

世界では毎年、食用に生産されている食料の3分の1にあたる13億トンが捨てられています。日本のような先進国では、「食べ残し」や「賞味期限切れ」など消費段階で捨てられる食べ物が多いです。一方で、開発途上国では、同じ時期に農作物がたくさん収穫できても「適切に保管できない」「加工するための技術が十分にない」「適切に運ぶための手段やガソリンを買うお金がない」などの理由で、必要な人に届く前にムダになっています。(参考:世界食糧デー

食べ物を捨てる行為自体がもったいないのはもちろんですが、さらに食べ物を捨てる事で環境破壊にもつながっているのです。

この事に関して、知っているという人はまだ多くはないようです。

食品廃棄物がどのように処理されているかというと、世界の多くの国では埋め立て(日本では焼却も)。

そのため、埋め立てたゴミから出るメタンガスなどの温室効果ガスは36億トンほど(二酸化炭素換算)にのぼり、世界で排出されている温室効果ガスのうち8%を占めると言われています。

何気なく捨てられている食品ロスが、地球温暖化の原因にもなっているのです。

生産した食糧を無駄にしていることで、環境問題以外にも将来起こり得る食糧不足などの問題にも関わるとも言われています。

フードロス解決できるtoo good to goとはどんなアプリ?

image from toogootogo.de

先ほど紹介した食品ロスの現状と問題については知れば知るほどどうにか対策したい問題。

ただし、工夫次第で改善できる問題でもあると思います。

そう考えて、実際に行動に移したのがtoo good to go(トゥー・グッド・トゥー・ゴー)を開発した創業者たち。

too good to goのアイデアが考え出されたのは、北欧の国デンマークのコペンハーゲン。

ビュッフェ形式のレストランでたくさんの食べ物が無駄になっている様子を見てどうにかしたいと考えた5人の青年たちが、フードロスを解決するために動いたのが始まり。

2015年にスタートアップ企業として創業、2016年3月にアプリをリリースしてデンマークで最初のフード・レスキューが開始。

以来、口コミやメディアで徐々に知名度が上昇。立ち上げからわずか3年でアプリのユーザー数は950万人を超え、

現在では合計15ヶ国の国でサービスが利用でき、累計5770万人以上のユーザーがtoo good to goを利用。

15.4万箇所もの場所でフードシェアが展開され、これまでアプリによって1億3900万食分がレスキューされています。(参考:too good to go公式サイト

筆者の住むドイツでも、フードシェアリング関係で1番人気のアプリは記事を書いている現在このtoo good to go。(ResQ Clubというフィンランドのアプリは、ドイツ国内ではベルリンであれば使用可能)

ちなみに、『too good to go』とは「捨てるのに(to go) 良すぎる (too good)」、つまりもったいないという意味があります。

アプリの参加店がその日に余った食材や食事(食べ残しではありません!)、飲食物などの情報をその日その日にアップデート。

受け取りを希望するユーザーは前もって予約して支払い。

その後決められた時間帯にユーザーがピックアップする仕組み。

アプリを使った様子は、下の項目で紹介しつつ利用の仕方についても書いています。

too good to goアプリが利用できる国【日本では使える?】

too good to goが創業されたデンマークはもちろん、筆者の住むドイツでも使えます。

2022年現在、too good to goアプリが使える国は

・アイルランド
・アメリカ合衆国
・イギリス
・イタリア
・オーストリア
・オランダ
・カナダ
・スイス
・スウェーデン
・スペイン
・デンマーク
・ドイツ
・ノルウェー
・フランス
・ポーランド
・ポルトガル
・ベルギー

合計17ヶ国で利用可能。

最初はヨーロッパ中心で広まり、2020年後半にアメリカのニューヨークでも始まり北米にも人気と知名度が広がっています。

日本ではまだtoo good to goは使えないようですが、日本での存在も知られてきているようなので、今後アプリが使えるようになるかも知れないですね。

実際に使ってみた様子は次に紹介したいと思いますが、

アプリ1つでシンプルに食事や飲食物をテイクアウトできるので、これだけ色々な場所にあれば自分が住んでいない国・町でも気軽に利用できそうで楽しそう。

今はコロナで旅行できないのが残念ですが、いつか機会があればヨーロッパのちがう国や町で試してみたいです!

too good to goで手に入る食品は?どんな店が参加している?

現在事業が拡大しているようで、ヨーロッパ各地の実に様々な場所でtoo good to goが利用できます。

ドイツ・フランクフルトの場合だと、個人経営のレストランやカフェ、ガソリンスタンド(日本でいうコンビニのような店が併設している)などから、スターバックスやCOFFEE FELLOWS(コーヒー・フェローズ)といった大手のチェーン店のカフェREWEという大手スーパーなども参加していたりします。

ヨーロッパの他の地域では、ユニリーバ・ベルギー(Unilever)や、フランスのスーパー・カルフール(Carrefour)など大手企業もtoo good to goに参加しています。

too good to goで手に入るものは、

・レストランで余っている食事や食料品店

・スーパーで見かけが悪いけど食品としては何の問題もないもの

などがあります。

あとはマジック・バッグ(Magic Bag)と呼ばれる、色々な食品を詰め合わせて中身はサプライズというタイプのものも店によっては販売しています。

気になるお値段ですが、最安値が2€ぐらいから。

様々な店の食事や食品が、元の値段とともにオファーの値段が表示されています。

シンプルに言えば、本来なら捨てられてしまっていた食品を安く提供できるので、店側にとっては食品廃棄することを避けられフードロスを防げる、消費者にとっては食品が安く手に入る、ということで必要な人にとっては嬉しいシステムです。

too good to goの使い方は簡単【実際に利用してみた】

先日久しぶりにtoo good to goを使ったので、その時の様子を紹介しつつアプリの使い方・利用の流れを解説します。

シンプルで使いやすく簡単です。

アプリをダウンロードし、自分が使う国・エリアを設定します。

too good to go 公式サイトからダウンロード

ドイツ・フランクフルトは記事を書いている現在このような感じで結構な数の店が参加しています。

こちら↓がホーム画面を開いた様子。

too good to goアプリ

1番下の欄の左にある「Entdecken」(見つける)では、

・Rette leckeres Essen  bald ist es weg(もうすぐ廃棄になるのでレスキューして)
・Empfehlungen für dich(あなたへのおすすめ)
・Backwaren(パンなどのベーキングもの)
・Vegetarische Magic Bags(ベジタリアンのマジック・バッグ)
・In der Nähe(近くの店)
・Abholzeit jetzt(今ピックアップできるもの)

などなどその他、色々なカテゴリーごとに店とそのオファーの表示があります。

上でも少し書きましたが、スターバックスなども参加していたりします。

too good to go アプリ

例えばこちら↑は、中央駅のスタバ。

10,50€分の食品が3,50€で購入でき、在庫はあと1つ(1 verfügbar)という状態です。

受け取り時間は「今日18時〜19時」(Heute 18:00-19:00)とあります。

この内容で引き取りたい場合は予約して支払い→指定された時間帯にピックアップに行きます。

1番下の欄の左から2番目の「Stöbern」(探す)をタップするとマップ表示に。

too good to go アプリ

自分の位置情報をオンにしておくと、今いる自分の位置から近いエリアでピックアップできる食品ロス予備軍のある店が分かって便利。

マップ表示では色分けごとに店の在庫状況などがわかります。

・青色:自分の位置

・緑色:店に食品があり、在庫が5個以上ある(ピックアップは今すぐ可能の場合と後で可能の場合あり)

・オレンジ:店に食品があり、在庫が残り4個以下(ピックアップは今すぐ可能の場合と後で可能の場合あり)

・グレー:レスキューしてほしい食品の在庫なし(もしくはあったけど売り切れ)

マップ上の丸をタップすると、それぞれの店の情報が出てきます。

気になる店をお気に入りリスト(Favoriten)に入れておけば、それらの店に食品ロス予備軍が出てきた場合に分かりやすいです。

さて、今回選んだのはオーガニックスーパーのアルナトゥーラ(Alnatura)

ドイツのオーガニック(BIO)スーパーのパイオニア的存在です。

Alnaturaもtoo good to goに参加しているのでオーガニック食品も通常よりお得に購入でき、かつフードロス防止になってWin-Win。

Alnaturaはパン類(Backwaren)も時々オファーしているのですが、今回は食料品(Lebensmittel)の方がアップされていました。

12ユーロ分の食料品が入っていて3,90ユーロとあります。

受け取るまで中身が分からないサプライズセットです。

内容を確認してOKなら「予約する」(RESERVIEREN)をタップ。

 

too good to go アプリ
サプライズになるけどOKかどうかの確認

中身が事前に分からないタイプのものだけど購入して大丈夫かどうかの確認があるので、もう1度「ALLES KLAR!」(OK)をタップ。

too good to go アプリ

店の名前、住所、注文内容、注文個数、受け取りに行く時間帯、価格を確認して「JETZT RESERVIEREN」(予約する)をタップして支払いに進みます。

too good to goの支払いは全て事前決済です。

・Kreditkarte(クレジットカード)

・Sofort.(オンライン上で銀行送金)

・PayPal(ペイパル)

のどれかで支払うことができます。

too good to go アプリ

私はクレジットカードを選んだのでクレジットカード情報を入力して支払います。

too good to go アプリ
ピックアップできるのは当日19時30分までとあります。

支払いが完了すると、画面下の辺りに緑の背景&Alnaturaのロゴとともに「Deine Bestellung」(あなたの注文)という表示が出ます。

この表示はピックアップが終わるまでアプリを開くと常に表示されています。

Deine Bestellung をタップすると、注文内容とピックアップするべき日時、注文番号が表示されます。

too good to go アプリ

↑この画面は食品を受け取りに行く時に店のスタッフに見せて手続きするもの。

私の場合受け取れる時間帯が長かったので自分のペースでゆったりalnaturaへ。

どのスタッフでも良い(レジの店員さんでも)ので、too good to goの品を受け取りにきたと伝えます。

そこで先ほどの画面を出して「ZUM ABHOLEN KLICKEN」(受け取り時にクリック)をタップ。

その後最終確認の画面に移ります。

too good to go アプリ

店員に画面を見せつつ「Zum Entwerten Swipen」をスワイプして完了。

すると店員さんが店の奥へ向かい、野菜や果物が入ったセットを持ってきてくれました。

too good to go アプリ

家に帰って、早速中身をチェック。

今回入っていたのは

・キュウリ

・ピンクグレープフルーツ

・にんじん

・バナナ

・パプリカ

・サラダ菜

・りんご

・ポロネギ(ポワロ/リーキ)

でした。

too good to go アプリで買った野菜や果物

どの野菜や果物も新鮮で、腐りかかっているなど古いわけではなかったです。

りんごの一部の形がちょっと見かけが悪かったり、ポロネギ(リーキ)が折れ気味でしたが、おいしくいただけました。

普段野菜や果物は別のスーパーを利用しているので、これだけの量がどのくらいの値段か実感がないのですが、結構な量の食材が全部オーガニックで4ユーロもしないのはお得なのではないかと思います。

今回はAlnaturaで食料品を受け取る様子を紹介しました。

また次回の機会には別のお店も試したいです。

too good to goを使う時のコツ

アプリのコンセプトについてのインタビューなどでスタッフが語っていましたが、「利用場所はユーザーから近いところにないと意味がない(だから参加店を増やしたい)」という点。

too good to goはデリバリーサービスはなく、ユーザーが自分で各場所に食べ物をピックアップする仕組み。

なので、基本的に自宅やその時から徒歩圏内の近い場所で利用するのがベスト。

近いから移動時間が少なくて便利という意味ももちろんありますが、例えば自宅から遠いところへ車で向かってピックアップするというのは本末転倒。

環境問題を解決し、メタンガスやCO2削減を考える企業のアプリを利用するのだから、ユーザーも環境に負担が出ないように行動するのが大切だと思います。

飲食品の受け渡しにはtoo good to goのオリジナル紙袋が使われる場合があるそうですが、できるだけ自分のエコバッグを持参したり、場所によっては自分の水筒や食事(レストランの場合など)を入れられるケース(タッパーなど)を持参するとベスト。

例えばフランクフルトのあるカフェではアプリに「持参のコーヒーボトルを持ってきてくれたら25セント割り引きます」と記載があることも。

無駄を減らそうとしているのにゴミを増やすのもナンセンスなので、その辺りも考えたいところです。

おまけ:フードロス解決はアプリ以外のフードシェアもあり

筆者の住むドイツ・フランクフルトの例をとると、食品ロス解決に対してこれまではアプリ経由ではないイベントのような対面型でのフードシェアリングの取り組みが見られていました。

実際に、2013年ごろからフランクフルトのフードシェアリングのイベントなどの情報を知り時々参加したりしていました。

当時は専門のアプリなどはなく、FacebookなどのSNSやウェブサイトでの呼びかけ、口コミなどで食品ロスを解決しようとする動きがありました。

一部のパン屋や食料品店などが廃棄予定の食品を無料(寄付など)で提供し、希望者は店に食品を取りに行くという形や、有志が集まって廃棄食品を集めて食事を作り、集まった皆に振る舞うイベントなど。

今はコロナの影響もあり他人との接触が難しいのでフードシェアリングイベントは激減していますが、Fairteilenと検索するとドイツの色々な町でフードシェアリングに関する情報が出てきます。

コロナ禍の現在はあまり情報が更新されていないようですが、ドイツでのフードシェアリングに関するサイトはfoodsharing.deというサイトが参考になるかと思います。

ヨーロッパで急成長中のアプリ【too good to go】で食品ロスを解決 さいごに

最後まで読んでいただきありがとうございました!

最近は日本でも良く話題になっている食品ロス問題。

今回の記事ではSDGs先進国であるドイツやヨーロッパでも定着しつつある、食品廃棄物を減らすことができるアプリ「too good to go」について紹介しました。

この記事がきっかけで、フードロス問題について考える機会があれば嬉しいです。

当ブログでは、他にもドイツ在住者の視点から色々と記事を書いています。よかったらチェックしてみてください。

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