Hallo!ドイツ在住ブロガーのユウコフランクフルト(@yukofrankfurt)です。
今回の記事ではドイツの季節の味覚であるBärlauch(ベアラオホ、ベアラウフ)と呼ばれる食材について紹介します。
スーパーや市場で購入もできますが、森や林の中にも自生しているので時期になると収穫しに行くドイツ人も多いです。
筆者も先日林の中で見つけて収穫してきたので、その様子などもお話します。
ドイツの春の味覚、Bärlauchとは?
Bärlauch(ベアラオホ、ベアラウフ)はネギ属・野生種の植物。
日本では「行者ニンニク」として知られているものに近く、ラムソン・ワイルドガーリック・熊ネギ・クマニンニクなどとも呼ばれています。
春頃に自生している季節の食材で、ドイツでは季節の食材としてシーズン中に野菜やハーブとして楽しまれています。
Bärlauchのドイツでのシーズン・旬はいつ?
Bärlauchは早くて3月上旬ごろぐらいからスーパーや市場(マルクト)でお目にかかることができます。
天気にもよりますが、大体4月に入ると葉が柔らかく香りが強くなるので、4月がメインの収穫シーズンといえます。
5月には花を咲かせますが、その頃には香りが弱まるので開花とともにBärlauchのシーズンが終了。
合計2ヶ月間もないぐらいがベアラオホを食べることの出来るシーズンとなり、期間限定の旬の味覚なのです。
Bärlauchの味と食べ方
ベアラオホの特徴といえば、その香り。
顔を近づけてみると、ニンニクのようなニラのような食欲をそそる香ばしいにおいがします。
ネギ属の植物なのでネギっぽくもありますが、ニンニクのにおいが強いのでニラのような感じでもあり、チャイブにも近い味わい。日本人にも好かれる味だと思います◎
Bärlauchは野菜としてもハーブとしても万能。
生食もできるので香りを楽しめるようにサラダに入れたり、そのままペストにしたりもドイツでは人気の食べ方。
スープにしても美味しいですし、お肉との相性もよくお肉屋さんでベアラオホ入りソーセージを見かけることも。
筆者の場合は日本風に醤油漬けにしてご飯のお供にしたり、餃子のタネに入れてニラ代わりにしたりが多いですね。
洋風にも和風にも合う万能な食材です◎
Bärlauchの栄養価は?行者にんにくと同じくミネラル・ビタミン豊富!
ドイツの行者にんにくことベアラウフを食べるとどんな栄養素が摂れるのでしょうか?
ベアラオホの100グラムあたりの主な栄養素は以下。(参照:Fit for Fun)
カリウム | 330mg |
ビタミンC | 150mg |
カルシウム | 75mg |
マグネシウム | 20mg |
鉄 | 2.9mg |
食物繊維 | 2.2g |
亜鉛 | 0.3mg |
ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルが豊富に含まれています。
また、ニンニクにも含まれる栄養素、アリシンも微量に含まれます。
ビタミンCの量はオレンジやピーマンよりも多く、鉄分とマグネシウムの組み合わせによって免疫力アップにもなるそう。
その他には新陳代謝アップ(デトックス効果)や抗炎症作用なども期待でき、「天然の抗生物質」とも呼ばれるんだとか。
美味しい上に栄養価もあるので旬の時期には積極的に食べたいですね◎
【ベアラオホ】ドイツの季節の味覚行者ニンニク(クマニンニク)をドイツの森で収穫してきた話
冒頭でも触れましたが、ドイツの旬の食材ベアラオホ(行者にんにく)は森や林に自生しているんです。
筆者が住むドイツのフランクフルトにも見つかります(!)
ほとんどスーパーで購入するのですが、先日は久々に「Bärlauch狩り」に行ってきたのでその時の様子を写真付きで紹介していきます。
Bärlauchの採取のコツや注意点についても書いていますので、ベアラオホ狩りに行きたい人は参考にどうぞ。
フランクフルトでベアラオホを収穫してきました!
ふだんはスーパーやマルクトで見かけたら買う派なのですが、前々から「あの公園でベアラオホを見つけた」「あそこへ行くとベアラオホが結構生えている」などと耳にしていたので、フランクフルトでもBärlauch取れるんだな〜と思っていました。
コロナ禍で運動不足気味だったのもあり、4月上旬のある日、散歩がてらベアラウフ探しの旅にでも出るか!と決心。
食欲は常に旺盛派なのですが、目的もなく歩き続ける散歩よりメリット的な目的があるとさらにウォーキングにやる気がでます笑
今回、持ち物は大きなビニール袋のみ!
ベアラオホは柔らかいので見つけたら普通にちぎれば良いかと思っていたのと(横着)、見つかるかも分からなかったのであまり気合を入れず。
私と違ってお行儀が良い方は手袋やハサミなどあると良いと思います。
ベアラオホはフランクフルト周辺で結構生えているようですが、筆者は人に聞いたことがある場所やGoogleマップでドイツ人の書き込みなどを参考にどこへ行くか大体絞りました。
4月に入って雨が降った後ぐらいが特に良いらしいのですが、ちょうどその日の前日あたりに雨が降っていたのでベアラオホが見つかるかな?と期待を持ちつつ林を散策。
筆者が行った日は週末にも関わらずほぼ人を見ず(1人ぐらいしかすれ違わず)、林の中の爽やかな空気を楽しみながら散策できました◎
「お目当てのBärlauchが見つからなくても散策を楽しめば良いよね♪」となどと平静を装いつつ、歩きながら鋭い視線で注意深く地面をガン見笑
すると…!
ベアラウフ、発見しました!かなり大量に生えています。
犬の散歩コースでもなさそうかな?という場所だったので、もうここで収穫してしまおうと決定。
人がむしり取った形跡もないのでやっぱり最近うまい具合に育ったものなのかな?
まずは念のためBärlauchかどうかをチェック。
ベアラオホによく似た植物があり、毒を持っていることもあるので間違えると危険です。
Bärlauchの見分け方
野生のベアラオホを収穫する時、誤って他の植物を収穫すると大変なことになるので「ベアラオホだ!」と見かけだけで決めつけず、必ずしっかり確認しましょう。
日本でも野生の行者ニンニクを収穫する習慣がある東北や北海道あたりでも、誤って別の植物を採取する事例があり、自治体などで注意喚起がされています。
Maiglöckchen(スズラン)やHerbstzeitlose(イヌサフラン)と見かけが似ているのですが、これらの植物は毒があります。
とくにイヌサフランは誤って食べると命に関わるほどなので自己採取したい人は十分気をつけないといけません!
ベアラオホの1番の特徴は、とにかくそのニンニクに似た強い香り。
葉っぱの先を軽く指でつまんでニンニクのにおいがするかをチェックします。
これでほぼBärlauchか他の植物かが分かります。においチェックは重要です。
Bärlauchの葉は繊細で指でこするとちぎれる程度の柔らかさ。
また、他にチェックしたい特徴は生え方や葉っぱの見た目。
ベアラオホは1株から1~3枚程度の葉が出る程度の生え方で、たくさん密集したような生え方にはなりません。
ベアラオホの葉っぱは根元に行くにつれて細くなりますが、これがよく似たイヌサフランの場合は根元も細くないまま生えています。
スズランの葉っぱは根元が細くなりますが、細い部分が行者ニンニクのものに比べて短いです。行者ニンニクは茎のような細い部分が長いです。
これらの手がかりを元にどれが行者ニンニクかしっかり見極めて探しましょう!
ドイツ語でも「Bärlauch unterschieden」「Bärlauch giftige Doppelgänger」などと検索すると色々出てきますので、それも参考に。
フランクフルト在住でもたくさんのBärlauchが採れました!
ご覧の通り、こんなにたくさんのベアラオホが収穫できました。
田舎の農村でもない、山奥でもない、ドイツのビックシティ・フランクフルトで採れたBärlauch!
予想よりあっけなく発見できてラッキーです。
(注:大量にとったつもりでしたが、採った所の地面を再確認すると採ったように見えないほどまだまだ生えていましたので決して独り占めはしておりません!笑)
野生のベアラウフはしっかり洗うのもポイント。
土が結構ついているので、流水で洗ったり水を張ったボウルに浸してゆすったりして土やゴミをしっかり落とします。
この作業は結構大変なので、イベントとして年1回程度楽しむぐらいで良いかな…笑
とはいえ、新鮮なBärlauchを大量に使って美味しい餃子が作れたし、良い運動にもなったので充実した週末になって満足です!
フランクフルトで実際にベアラオホを採りに行った様子をインスタのリール(30秒の動画バージョン)にしてみましたので、興味がある方はこちらから観れます。
よかったらぜひ!@yukofrankfurt
ドイツの森でBärlauchを採取する時の注意点
ドイツの行者にんにくBärlauchは、湿り気のある日陰に生えることが多いです。
文中でも触れましたが、4月に入って雨が降った後のタイミングで、木が密集している日陰が狙い目。
公園にも生えていることがありますが、理想は「公園」的な人が多くいそうな場所ではなく、ちょっとした「森」や「林」のようなところですね。
人が多くて犬の散歩スポットみたいなところだと、犬のおトイレスポットと被る危険もあるので笑
人や犬の散歩コースになってなさそうで自然が多い、車もあまり近くを通らなくて空気が良い場所で見つけるのがベスト。
とはいえ、野外に生えているので土や草のゴミのようなものがついちゃったりしがちなので、なるべく採取する時に葉っぱにくっついているものをはらいながら取ると家での処理が楽になります。
筆者の場合、相方が見境なくガンガン取っていったので他の雑草が混じったり、葉っぱのゴミがついているものも紛れていて後で綺麗にするのが大変でした。
後の注意点は、上で紹介したようにしっかりBärlauchを他の植物と見分けること。
似たような植物で毒を持っているものがあるので気をつけてください!
日本のBärlauch・行者にんにくを味わおう
日本の行者にんにく(熊ネギ)で有名な場所といえば北海道。
昔から、アイヌの人々の間では薬草として知られていたそう。
雪解けが終わった頃の4月あたりから北海道で山菜取りに行く方も増えてきているんだとか。(ただし熊に注意!)
ちなみに北海道だけでなく本州も含め自生している植物です。が、「天然物」はドイツよりは貴重なもののようです。
山で熊に遭遇するリスクを考えると、農家さんから購入するか平和に家庭菜園がよいかもです◎
行者にんにくはAmazonよりは楽天で探すと色々見つかります!
ぜひ、ドイツの旬の味覚である行者ニンニクを日本でも気軽に試してみてほしいです。
ドイツの旬の味覚・行者ニンニク(熊ネギ)を在住者が森で収穫してきた話【ベアラウフ】最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今回は季節の味覚、Bärlauchと呼ばれるドイツの行者ニンニクについて紹介しました。
フランクフルト在住者でも手軽に散策がてらベアラウフ狩りができたので良い気分転換になりました。
興味がある方はドイツでベアラオホ探し、試してみてはいかがでしょうか。(しっかり他の植物と見極めてくださいね!)
ドイツの旬の食材については別の記事でも詳しく紹介しているので合わせて読んでみてください。
ちなみに筆者は冬になると銀杏も収穫して食べたりしています(笑)
当ブログでは他の記事も色々書いているので遊びに来てくださいね。
フランクフルトで実際にベアラオホを採りに行った様子をインスタのリール(30秒の動画バージョン)にしてみましたので、興味がある方はこちらから観れます。
よかったらぜひ!インスタIDはちなみに@yukofrankfurtです。
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